植物自らがありのままに、思慮深く表現しているように
人生の秘密を知りたいとは思いませんか?
ゲーテ



パトリシア・カミンスキー/FESディレクター






 すばらしい秋の喜びを心から感じながら、皆様にこのニュースレターをお届けします。今、わたしたちは、春と夏の収穫を感謝する収穫祭と大自然の季節のめぐりというすばらしい贈り物を捧げてくれるたくさんの花たちを祝福しています。

 ここ、テラフローラでは、この時期、咲き乱れる菊の花を特別に楽しみながら観察しています。ここでフラワーエッセンスとして使っている菊は、原種の菊です。この菊は秋分の日が過ぎる時期にだけ、芽をふき、それを待つようにして十月の末に開花し、12月の初旬まで咲き続けます。

 この耐久性、持続力をもつ菊の資質は、東洋の薬草学の分野において、この花が健康と長寿を象徴するものだと言われているのをわたしたちに納得させてくれます。この植物は・・・光りの周期、つまり植物がもつ光りと影のユニークな比率をそなえていることで深くわたしたちの関心をひきつけます。純粋種の菊が咲くためには24時間ごとに12時間またはそれ以上の影の時間が必要なのです。もっとも、現代、市場にでまわっている混種の菊の場合には、成長過程でこのような手間をかけることはありませんし、同時に純粋種の菊のもつヒーリング能力もありません。



 暑い夏の気候では、菊は花を咲かせないで、その生長の仕方もそれぞれあいまいなものです。光りが当たる時間が短くなると、菊の成長と芽の成長が一時的に減退します。この長い曲線を描く成長パターンの期間は、菊の内なる成長に化学反応として影響を与えます。つまり、植物の中に含まれる糖分は、日照時に葉っぱで作られ、後に花が咲くのを助けるため、そこで貯め込まれます。これが菊のお茶がまろやかな甘さをもっていること、また菊の花のお茶が元気を回復させる強壮剤としてもよく知られる理由なのです。

 ひまわりの家族(キク科植物)である菊の花のエッセンスは、トランスパーソナルな意識、つまり一時的な個人性を超えたところの自己意識を学ぶために処方されます。老齢に対する恐れ、中年期の危機感、人生終盤期におけるヒーリングクライシス(自己の癒しの試練)、さらに霊的なイニシエーションとして肉体の死の入り口に立つ経験などといったテーマを扱います。

 闇が光りの活動に中止信号をだすことを許さない菊のように、魂は新しいやり方で「落ちる、または秋」と呼ばれる下降する螺旋に遭遇し、学んでいきます。たとえ明らかな症状がないとしても、菊の花のフラワーエッセンスは自己の内なる光りを封じ込め、それを内面深く固定させるのを手伝いながら、魂が秋へと移行するよう促します。そして一年の内でも光りの暗い期間にふたたび均衡を取り戻すよう導きます。

 文字通り菊という名前の意味はギリシャ語で、黄金の花《chrysos(黄金の)gold and anthos (花をつけた) flower(花))。いろいろな色の菊の花が開発されていますが、FESの菊はあざやかな黄金色をしていて、もともとの原種です。この菊は花が開くときの色の変化を観察するのをじつに楽しませてくれます。茶褐色めいた赤色から燃えるようなオレンジ色になり、さらに次第に深い黄金色に変身してゆきます。

 この黄金のエッセンスに到達することは、人間の魂の錬金術の中では可能です。またこの花のエッセンスの蒸留水は、「収穫」という人生の体験を人間の魂の錬金術の中で可能にします。黄金とは温かく、同時に深くそしてさらに光輝く霊的な光です。その光りは人間の魂で創造され、肉体を持つ人間の温かさと深みを人が体験するとき、熟成され霊的な世界に捧げ返されるのです。

*FESニュースレター2005年秋より