フラワーエッセンスとは
 フラワーエッセンスは、花のエッセンス(エネルギーの特性)のみを水に転写し自然の力で活性化されたもので花の波動水ともいわれます。これはエッセンシャルオイルやハーブ製品と違い、植物の抽出成分などの物質的なものは含まれていません。花のエネルギーがもつそれぞれの性質が、私たち人間の感情や精神のパターンと呼応し、ショックやトラウマから生じた心のバランスの乱れを調整して、癒してくれるというものです。

 フラワーエッセンスの歴史は古く、一説には有史以前から伝え用いられてきたと言います。近年になり、フラワーエッセンスを花療法として体系づけたのは、1930年代のイギリスの著名な細菌学者であり、ホメオパシーの医師でもあったエドワード・バッチ博士です。当時7種類の細菌からワクチンを開発しホメオパシー医療の分野で世界的に貢献した博士が、20余年にわたる治療経験とその研究の結果たどり着いたのがシンプルで身体に全く害のないフラワーエッセンスを用いた治療法です。博士は治療の一環として患者さんの性格や感情の移り変わりなどを調べ、人間のタイプ別にかかりやすい病気や、適した薬があることを発見しました。また博士は、人が全く幸福感に満ち、心に心配や不安、傷などがなくバランスがとれていれば病気になることはなく、溌剌としたエネルギーに満ち実質的で力強い人生が送れると言っています。この考えは多分に東洋的であり日本人の私たちには非常に受け入れやすい概念です。バッチ博士が開発した38種類のフラワーエッセンスが現在バッチレメディとして知られ、世界中で広く愛用されています。


FESのフラワーエッセンスの特徴
 FESのフラワーエッセンスは、アルケミーの理論にもとづいてつくられています。FESでは、16世紀の医者であり錬金術師であったパラケルススと、自然学者であり哲学者としても知られるゲーテ、また人間存在の定義においては人智学者のルドルフ・シュタイナーの理論を長年研究してきました。アルケミーの考え方では、人間は大自然と一体であり自然界(マクロコスモス)に存在するすべての要素は私たち人間(ミクロコスモス)に反映されており、それらは互いに影響しあい、相関関係にあるといいます。また、パラケルススによると植物のかたちは、より高いレベルでの自然界の理想を表している。自然界に存在するすべての花は星の世界の表現であり、そのアーキタイプは人間の魂の中にも表現されている、といいます。FESでは、このアルケミーの方法論をフラワーエッセンス療法に発展させて、人間の魂を包括的にとらえた新しいスピリチュアルサイエンスとしてのフラワーエッセンス療法の実践と研究を行っています。

 具体的な方法としては、フラワーエッセンスとなる植物の包括的で徹底的な植物観察にあります。ここでは単なる植物分類にもとずいた観察にとどまらず、植物の育っている環境や、姿形、色、香り、全体的なジェスチャーなどからその花の表現する特徴をアーキタイプ的に読みとり、私たち人間の魂と呼応する要素と結びつけていきます。  また、FESのもう一つの特徴のは、客観的で長期にわたる臨床研究にあります。世界6万人のプラクティショナー(フラワーエッセンス療法の専門家)のネットワークを持ち、豊富な経験的臨床データにもとづいたフラワーエッセンス療法の研究と実践が行われています。同時に教育活動にも重点が置かれ、毎年夏に行われるプラクティショナー養成セミナーをはじめ、全米各地や海外においてフラワーエッセンスのセミナーを開催しています。


フラワーエッセンスが出来るまで
 花の繊細なエネルギーを伝えるフラワーエッセンスは、その作り方においても大自然と一体になった方法が用いられます。製造方法の一つにサンメソッド(太陽法)があります。農薬などに汚染されていない土地のエネルギーの高いところで咲いている野生の花か、有機栽培で育った花を、花の生命エネルギーがもっとも高いと言われる朝の太陽の下で摘み取ります。この過程はかならず雲一つない晴天の日に、花の咲いているその場所で行われます。摘み取られた花は、その場所で流れている清水を入れたクリスタルの器に浮かべられます。そして数時間朝日の光の下に置かれます。ここでつくり手の意識が大自然と共鳴し、リズミカルな方法を用いて花のエネルギーと調和します。こうして花のエネルギーのアーキタイプパターンが太陽の熱と光りを通して水に移されます。この作り手の意識が第5の要素(クイントエッセンシャル)でアルケミーの方法論を用いたフラワーエッセンスの生成には欠かせない要素の一つです。つまり、自然の四大元素である、大地、水、空気、火に加え、これらの要素を統合し完成された形あるものとするのが第5の要素であるといえます。

 このようにして作られたフラワーエッセンスはマザーエッセンスと呼ばれます。一般に市販されている製品は、このマザーエッセンスをさらに活性化しストック濃度に希釈し、エッセンスのエネルギーを最適に保つためにブランデーが加えられたものです。


フラワーエッセンスの作用
 花の非常に微細な癒しのエネルギーのみを伝えるフラワーエッセンスは、ハーブやアロマテラピーと違い肉体に直接働きかけるものではなく、身体を取り巻く生体エネルギー(オーラ)の各階層に浸透します。このオーラ(階層によって周波数の異なるエネルギーフィールド)は、私たち人間の感情、精神などの内的意識を取り扱うといわれます。最新医学の新しい考え方によると、たとえば何かのストレスや、精神的ショックを経験するとこのオーラフィールドにブロックや傷が形成され、それが癒されないまま一定期間続くと、精神的なトラウマとなって残ったり、肉体に疾患として現れると考えられています。フラワーエッセンスは、このオーラフィールドに形成されたブロックを取り払い感情の歪みを癒します。そしてエネルギーセンターといわれるチャクラのバランスと機能を整えます。このようにフラワーエッセンスは、肉体のエネルギーという非常に精妙なレベルにおいて作用し、感情、精神、そして魂という人間の存在の本質の部分に働きかけます。

 また、フラワーエッセンスは意識の内的変化を促す触媒として働きますので、明確な意図を持って意識的にエッセンスに取り組むほど効果をはっきりと感じることが出来るでしょう。緊急用のレスキューレメディを除いては、効果の感覚も非常に微妙ですから、直接肉体に感じる度合いが少ないかもしれません。ある一定期間とってみて何となく気分が安定してきた、イライラしなくなった、毎日の生活に活力が出てきたなど、緩やかに心と感情に作用していきます。

 このようにフラワーエッセンスは、私たちの知性や感情の部分からアプローチし、肉体、精神、感情、そして魂の全体性を統合しバランスを回復させて、本来私たちが持っている完全なる人間性を取り戻すというアルケミー的な働きをします。さらにフラワーエッセンスは、個人のもつエネルギーの共振作用というかたちで働きますので、自分の中にない性質を持つフラワーエッセンスを選んだとしても、効果がないだけで害が全くないので自己成長のサポートに使用して個人でも気軽に自己ヒーリングの実践ができるという特徴があります。


(参考図書)
Flower Essence Repertory日本語版 BAB出版
フラワーエッセンスハンドブック フラワーエッセンス普及協会
Dr.バッチのヒーリングハーブス BAB出版
エドワードバッチ著作集 BAB出版
バッチの花療法-その理論と実践- フレグランスジャーナル社
フラワーレメディーハンドブック 中央アート出版
心を癒す花の療法 中央アート出版
花のもつ癒しの魅力「フラワーヒーリング図鑑」 産調出版
世界のフラワーエッセンス 廣済堂出版
など


フラワーエッセンスの製品としての位置づけ
 フラワーエッセンスは医薬品ではありませんので、一般の治療薬の代わりになるものではありません。 個人の意識の内的成長をサポートする触媒として使用できるものです。